タレント・Youtuberとしての活動に加え、育児や、クラブの経営までをこなし、その才能で多くの人を魅了するてんちむさん(橋本甜歌さん)。
ただし一方で、ご自身でも公表されていますが、多くの病気を抱えていることも判明しています。
いったいどんな病気があるのか、気になりますね。
今回はこれまでに公表されている病名について、現役の医師が詳しく解説をしていきたいと思います。
①双極性障害
2023年5月8日、自身のYoutubeチャンネルにて双極性障害を公表されていました。
(2025年現在、チャンネルはすでに削除されていて実際の動画を見ることはできません)
双極性障害とは「躁鬱病」とも知られる病気で、非常に活動的になってしまう「躁」の時期と、意欲が減退する「鬱」の時期が繰り替えされる病気です。
中学生の頃に診断されて以降ずっと付き合ってきている病気とのことでした。
当時は希死念慮(=自殺願望)もあったようで、かなり重篤な状態であったと推測されますね。母親が生存確認をしに頻繁に部屋にきていたとお話があったそうです。
病院の通院はしたもののあまり長くは続かないようで、こういった面も双極性障害らしいとも言えますね。
双極性障害に関する動画は残っていませんが、かなり近い内容のお話をされている動画が2024年6月7日に投稿されています。
タイトルには産後うつとあり、実際にこの動画が産後うつが好発する産後6週から8週程度であるかは不明ですが、「泣きながら歩いて帰った」「数日間でパイナップル2切れしか食べなかった」といったお話しなどから明らかなメンタル面の不調が伺えます。
一方で、そういった事実を非常にハイテンションで語っており、「この状況を打破するためにめちゃめちゃ頑張りたい」といった趣旨のお話しを早口でされているてんちむさんからは、躁状態に特徴的な過活動性を感じます。
こういったメンタルのギャップこそ、双極性障害の特徴であると言えそうですね。
ほかにも双極性障害を公表しているYoutuberがいますので、気になる方はぜひこちらの記事もご覧ください。
②ADHD
日本語では「注意欠陥多動症」という病名になるADHD。
ADHDの診断を受けたことも、双極性障害と公表と同時に判明しています。
近年はかなり一般的に知られるようになり、おおよそのイメージはご存知の方が多いのではないでしょうか。
「細かいことに注意がいかない」、「注意を持続することが困難である」、「座っていられない」、「じっとしていられない」といったいくつかの項目を満たすことで診断されます。
活動的である、という点は双極性障害の躁とも似ている印象を受けますね。
双極性障害は主に薬物療法が中心となりますが、ADHDは薬物療法と心理療法を併用していく形になります。
そもそもADHDの程度には個人差がありますので、医療的な治療介入を必要としない方も多いですね。
③※HSS型HSP
HSPとは、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字をとった略語で、生まれつき感受性が強く、外界からの刺激に敏感な気質を持つ人のことを指します。
HSS型とは、刺激を求める傾向(High Sensation Seeking)という意味になります。
近年よく名前を聞くようになったHSPですが、これは実は正式な「病名」ではありません。
心理学者によって提唱された「気質」のようなもので、医学的に存在する病態ではないということです。
ですのでこの病名一覧に載せるかどうかは悩んだのですが、ご本人が病名として公表されているため記載しておくこととしました。
④PCOS
PCOS(多嚢胞性卵胞症候群)とは、卵巣の中に小さな卵胞(嚢胞)がいくつも形成されるのが特徴的な疾患です。
ホルモンの分泌異常が原因と考えられており、この病気により月経異常や不妊、ニキビや多毛などの症状も見られます。
不妊につながることで有名なこの病気ですが、てんちむさんは不妊治療はしていないとのことです。2025年7月に投稿されたこちらの動画で詳しくお話しされています。
タイミングとしては卵子凍結を行った後に自然妊娠したそうですが、てんちむさんが動画内でもお話しされているように、PCOSによる不妊が卵子凍結によって改善することは直接的には関連がないと考えたほうがいいですね。
さいごに
その人生は波乱万丈であり、多くの人を魅了するてんちむさんですが、双極性障害といった病気がある背景は、活動に大きな影響を与えていそうです。
魅力的なストーリーを生み出すと同時に、それは不安定さを裏返したものでもありますので、いざというときにはぜひご自身の心身の健康を優先してほしいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。